<毎日必ず大量摂取する水はゼロを目指すべき>
水道水の危険度については、 トップページ に記載した東京都による「環境放射線測定結果」をご覧いただければ、一日遅れになりますが毎日の水道水の汚染度のデータを把握できます。
最近は殆どND(検出限界値以下)ですので、過剰に心配になる必要はないと思います。事故直後のように数十ベクレル/kgの汚染が水道水から検出され、手洗いやお風呂も気を付けなければならない状況からは大きく改善されました。2011年3月に大量に降り注いだ放射性物質の多くは川底、湖底に堆積していると考えられ、水底がかき回されるような現象が無い限り、川や湖の表面の水が高濃度に汚染される可能性は低いと思います。
しかし、あくまで検出限界以下であるというだけでゼロではない、ということには留意しておいてください。
また、水源である河川等に、何らかの拍子で汚染された土等が混入する恐れもありますので、突然数値が上昇する危険性は常にあります。特にこれから暖かくなる時期には汚染された雪が溶け込んで水源が汚染される可能性も否定できません。
水は他の食品と違って毎日摂取するものです。できれば、飲み水および炊飯や汁物など調理に使う水についてはゼロを目指してほしいと思います。
汚染ゼロ(もしくはゼロに極めて近い)水を入手する方法は、下記の3つがあります。
方法 |
長所 |
短所 |
① 海外産、西日本産のミネラルウォーターを購入する | ・手軽に購入できる | ・ 毎回購入するのが面倒・ 買い溜めパニックの際に対応し難い |
② 家にウォーターサーバーを設置する(ウォーター自体は海外製もしくはRO水) | ・業者が定期的に運んできてくれるので注文する手間が少ない | ・設置スペースが必要・買い溜めパニックの際に対応し難い |
③ RO(逆浸透膜)浄水器を設置する | ・ 一度設置してしまえばいつでもクリーンな水が入手できる・ 料理等にも対応し易い・ 買い溜めパニックの際に対応し易い | ・設置スペースが必要・機器が高価である |
尚、浄水器についてはさまざまなタイプのものがありますが、水の全量を濾す多くのタイプの浄水器では放射性物質を完全に排除することはできませんし、濾過する仮定で浄水器自体が徐々に汚染されてしまいます。放射性物質による汚染を除去できるのは現時点においてはRO(逆浸透膜)浄水器のみです。このタイプは、 水の分子だけを通過させ他の不純物質は通さないという性質を持つ半透膜の性質を利用して「純水」を作り出します。(全量を濾過するのではなく、純水として取り出すことができなかったものは全て廃棄するシステムです。)詳しくは下記の説明をご覧ください。
[source: 一般社団法人 浄水器協会「RO(逆浸透膜)浄水器」]
筆者はこのRO浄水器を設置して利用しています。頻繁にミネラルウォーターを購入する手間が かからないこと、原発の状況が悪化して籠城生活を強いられたときにも安全な水を確保できること、放射性物質に限らず他の有害物質を全て除去した「純水」を飲んでみたいと思ったこと、が購入理由です。ただし、このRO浄水器は比較的高価なものとなるため、特定の商品を推薦することは差し控えたいと思います。いろいろ評判等をお調べになった上で購入することをお勧めします。
<加工食品は原材料、製造場所をチェック>
原発事故以降は、極力加工食品を使わず、自ら調理することが求められます。加工食品はその原材料の全ての産地を調べることは極めて困難だからです。しかし、仕事の都合等もあり、毎日自炊することが難しい方も多いと思います。ここでは安全性の高い食材を選ぶ方法を紹介いたします。
①.原材料を問い合わせる: 原材料の産地が明記されている加工食品を購入するのが最良ですが、そのような製品は少数です。しかし、製品には大抵「お客様お問い合わせ電話番号」という問い合わせ先が記載されています。スーパーの売り場で携帯電話からでも問い合わせることで、すぐに原材料の産地を明確にできることもあります。一部メーカーでは、問い合わせても要領を得ない返答であったり、明確な返答を返してくれないことも多々ありますが、そのような姿勢の企業であると諦め、そのような意識の低いメーカーの製品を購入するのは控えるようにしましょう。
②.製造所固有記号を調べる: 工場が日本各地に複数存在するような比較的規模の大きなメーカーの製品の場合、どこで製造されたものかを明確化したものが製造所固有記号(「食品衛生法」に基づく表示基準により、「製造所の所在地」及び「製造者の氏名(法人名称)」の表示を義務付けたもの)です。水はもちろん、牛乳等も製造工場の近隣のものを使用するのが一般的です。よって、製造工場が西日本や北海道にある製品は安全性が高い可能性が高いと考えられます。ただし、あくまで可能性が高いだけで、主要原料が汚染された地域のものを使用している可能性もあるため、①で述べたとおり、併せて主要原料の産地を確認することも欠かせません。製造所固有記号を調べるには下記のサイトが便利です。
[「製造所固有記号@wiki」: 有志の皆さんが調べた食品会社の製造所固有記号が閲覧可能]
③.外国製品を買う: 最も確実な汚染食材の回避方法です。日本(一部地域含む)からの食品の輸入を制限している国は多いため、汚染された原材料が入り込む余地は殆どありません。ただし、傷みやすい商品はそもそも外国製品を日本国内にて入手することは困難です。また、放射性物質による汚染はなくとも、長期間の輸送時間に耐えられるため、保存料の含有量が多い傾向にありますので、外国産の加工食品ばかりを摂取するのも健康にとってあまりいいこととは思えませんので、あくまで補助食品として利用されることをお勧めします。今は円高の影響もあり、外国産の商品も安く入手し易い状況にあるので、食品の安全性に対する意識の高い西欧諸国等の食品を利用するのがよいでしょう。(筆者は「KALDI(カルディ)」等で西欧製の缶詰等を安く入手しています。)
また、下記「ベクまる」のように加工食品の放射能測定をし、ベクレル測定値が独自の測定ルールをクリアとた食品をデータベース化してくださるありがたいサイトもあります。ただ、非常に残念ながら精度の高いゲルマニウム半導体検出器(非常に高価。詳しくは、対策を考える上で > これからの生活と必需品(ガイガー等) )を使用していないため、検出限界値は20ベクレル/kgと高めですので、参考値としてご覧になるといいと思います。
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