3.11を境に世界は変わったといいますが、少なくとも東京で暮らす我々の生活は大きく変わりました。今までは無条件に信じていてよいもの、特に注意を払わなくて済んだものに対して、全て自分で調べて判断することが必要とされるようになりました。今から思えば、3.11の前はとても楽に生活できたものだ、と懐かしく思うことがたくさんあるでしょう。でも、今や原発事故を無かったことにすることもできなければ、無邪気に生活できた日に戻ることもできません。
筆者は医師(小児科医)の兄弟を持ち、かねてよりチェルノブイリ原発事故や被曝被害に対する知識が多少なりともあったため、原発事故当初の政府やマスコミの発する情報に大きな疑問を抱き、短期間の避難やN95マスク着用の徹底などで凌いでいたものの、危険性を訴えても信じてくださる方は少数でした。その後、徐々に当初の情報が修正されてきたものの、依然として情報は整理されていないのが実情だと思います。
情報が修正されるにつれ、筆者に対して周囲の方々がいろいろな相談をしてくるようになりましたが、その多くは「果たしてこの東京に留まっていていいものか。また留まらざるを得ないとしたらどのような被曝対策をすればよいか。」ということに集約されており、こうした疑問に対する答えがどこにもない現状に不安を抱えている人たちがたくさんいるのだなと実感しました。もちろん筆者もその迷えるひとりです。
それでも医師の兄弟の助けも得ながら筆者なりの稚拙なアドバイスをする度に、感謝していただくと共に「本でも書いたら?」と冗談を投げかけられることが多々あり、自分の周囲の人間だけではなく同じ疑問を持った方々の役に立てるよう、情報を整理して一度まとめておく必要があると思うに至りました。
ここでは、東京(および神奈川、埼玉、千葉)における認識すべき放射能汚染の現状と予想される健康への影響や被曝症状、取るべき被曝対策についてできるだけわかりやすくまとめたつもりです。
個々の分野において筆者より詳しい方は山ほどおり、詳細を学べる書籍やサイトは数多くあります。しかし、汚染の認識と被曝対策という問題を論ずるには、医学・工学・物理学・化学・物理学と多岐に亘った観点が織り交ざることとなり、体系的にまとまっている情報は無いように思われます。加えて、原発推進・反原発と言ったイデオロギーや、自分の政治的・経済的な立場を保護する各種のバイアスと言ったものが大きな力を持ち、客観的な議論ができていないのが現状です。
それらの主観的要因や偏りを極力拝し、東京の現状と取るべき被曝対策について、有益な情報を発していくことができたら幸いです。
<追記>
最近twitterやFacebookでご紹介いただいたようで、アクセス数が増えています。
もともと当サイトは、放射能の影響を心配する筆者の身の回りの方々に対して、客観的情報を基に、東京の状況や放射線・放射性物質に対する被曝対策をわかりやすく紹介するために作ったものです。
この度、予想外にたくさんの皆様にご覧になっていただけるようになったというは、サイト作成者としては非常に喜ばしいことであり、何より励みになっています。なぜなら、原発事故に係る情報を収集して整理し、当サイトを作成するにあたっては準備段階から含めて多くの時間と労力を費やしたからです。
今後は、たくさんの方にご覧いただいていると意識し、今まで以上に正確さを重視して、より充実した情報を提供していくよう心掛けていきます。もちろん当サイトの全てのページにおける情報について、少しづつ更新していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2012年3月21日 筆者より
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