これからの生活と必需品(ガイガー等)

放射線被曝により放射線より直接細胞が傷つけられると同時に、放射線の電離作用により細胞内の水分子と反応し細胞内に活性酸素(フリーラジカル)が増加することが知られています。これを放射線そのものがDNA等を攻撃する「直接作用」と区別して、「間接作用」と言います。直接作用、間接作用については下記のサイトが詳しいです。(やや専門的なので、お時間のある方のみご覧ください。)

放射線による細胞の破壊メカニズム

[source: 「サイエンス ポータル」2012年1月10日【 特集1 低線量放射線と健康 低線量放射線のDNAへの影響 】]

 

活性酸素はストレス等で増加し、老化の原因になるということでご存知の方も多いかもしれません。活性酸素は私たちが生きていくうえで付き合っていかなければならない物質で、呼吸をするだけでも活性酸素は発生します。

しかし、我々の身体は活性酸素を除去する機能が備わっており、活性酸素により傷つけられたDNAや細胞膜を修復する機能もあることから、活性酸素が増えすぎなければ問題はありません。しかし、活性酸素が大量発生し、DNAが激しく損傷されると、何度も損傷と修復が繰り返されるうちにDNAエラーが生じる恐れがあり、最悪の場合は細胞が癌化することとなります。

増えた活性酸素を抑制するために抗酸化物質を摂取して活性酸素の働きを抑えることは、美容や老化防止のため以上に、現在の東京では重要となります。抗酸化物質の詳しい情報は 内部被曝対策(食料編) > 4.サプリメントによる放射能被曝対策 にて紹介します。

活性酸素が疲労やストレスによって増加することは説明するまでもないと思います。よって、放射線汚染が存在する現時点においては、被曝とストレスや過労による相乗効果で活性酸素の増殖によるDNAの損傷だけは避けなければいけません。

特に重要になってくるのが睡眠です睡眠不足は極力さけ、無理をするような生活様式は改める必要があります

加えて、セシウムは精神的なストレスや感染症などで体の抵抗力が落ちても体内に蓄積されやすくなります。「無理をしないで疲労を溜め込まない」、このことが今ほど重要な時代はないのです。

また、セシウムは心筋に溜まりやすいため、もともと心臓に疾患のある方はより厳重に放射性セシウムによる内部被曝対策を取る必要があります。チェルノブイリの患者を多く診察した医師による「放射線の影響で心筋梗塞になりやすい」との研究結果も出ています。

もともと免疫力が弱い方、心臓や臓器に持病のある方は長期間にわたる低線量被曝が致命傷になる可能性もあります。お子さんや既に免疫力が弱っていると感じている方は移住も視野に入れて幅広い選択肢を検討することが賢明であると思われます。
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上述したように生活スタイルを改善していくことに加え、汚染された東京で生活していく上で、もう一つ大変重要なことは、身の回りのどこが汚染度が高いかという状況把握をきちんとするということです。

そのための必需品が放射線測定器です。一般には「ガイガーカウンター」と呼ばれることが多い(そのため、わかりやすく当サイトの表題でも「ガイガー」と表記しました)ですが、厳密には①ガイガーカウンターと②シンチレーション式放射線測定器の2つのタイプの製品のことを指すことが一般的です。

これらは空間線量を測定する働きを持ち、同時に地表や一部のスポットの汚染の測定、検出することができます。ただし、水や食品の内部に含まれた汚染を測定・検出する能力は持ち合わせていないことに注意が必要です。食品内部の汚染を測定する機器はまた別のものです(一般の個人が購入できるような金額ではありません)。

少し前までは、個人ユースにおいては、放射線測定器=ガイガーカウンターでした。シンチレーション式放射線測定器が高価(数十万円)であったのに対しガイガーカウンターは数万円程度で入手できたからです。ガイガーカウンターはガイガーミュラー(GM)管と呼ばれる円筒形の容器の中に不活性ガスを封入した管を使用して放射線を検知します。放射線がこの管内を通ったときに発生するパルスを数えて放射線量を測定するのですが、弱い放射線だと取りこぼす場合がある他、一定の水準を超えた強い放射線は全てをパルスに変換しきれず、その数を正確に検出できないという弱点があります。

一方、 シンチレーション式放射線測定器は、放射線と反応すると微弱な光を発する「シンチレーター」と呼ぶ物質を使って、微少な放射線も測定できます。、高価ですが線量が低い場所でも正確に放射線を検知でき、測定した数値に誤差が少ないという利点があります。ただし、ガンマ線しか測定できないという弱点もあります。
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機器種類

ガイガーカウンター

シンチレーション式

ゲルマニウム半導体検出器

用途

表面汚染度測定、空間線量 空間線量、表面汚染度測定 食品検査

エネルギー分離能力

なし

低分解能

高分解能

感度

測定部

ガイガーミューラー(GM)管 NaI(Tl)シンチレーター、プラスチックなど

特徴

低線量下では正確な測定は困難、ブレが大きい アルファ線、ベータ線を測定できない 放射線核種ごとに分析、極めて精度が高い

価格

1~20万円

10~50万円

1500万円程度

「産業技術総合研究所」資料、「日経新聞」記事を基に作成

従来、シンチレーション式は個人には高嶺の花だったのですが(筆者が所有しているのももちろん「ガイガーカウンター」です)、ここに来て、原発事故以降メーカー各社が開発・増産してきたことが奏功し、非常に安価なシンチレーション式放射線測定器が出てきました。

光学精密機器メーカー「日本精密測器」による国内製シンチレーション式放射線測定器「RADCOUNTER(ラドカウンター)DC-100」です。購入後のサポートも受けられ、携帯電話などの電波を放つ製品の近くでも安定して使えるとのことです。東京における外部被曝線量はGM管ではなかなか測定しづらい値(0.15mSv/毎時以下)であるため、正直ガイガーカウンターが使いづらい場面が多いことも事実です。 このような安価なシンチレーション式測定器が入手可能となり、やっと個人でも正確な放射線量が測れるようになったというのは喜ばしいことです。

シンチレーション式の利点は低線量下での正確性に加えて、長時間の測定時間を要することなくリアルタイムで放射線量を測定できることです。DC-100は電源を入れて30秒で測定値を表示し、その後は1秒毎に検出データを更新し、リアルタイムで測定可能です。移動しながらどこが線量が高いか低いか判断できるのは非常に魅力的です。

 

以下に挙げる機種は、現在高い評価を受けている「ガイガーカウンター」の一部です。


ECOTEST ガイガーカウンター 放射能測定機 TERRA (MKS-05)

ECOTEST ガイガーカウンター 放射能測定機 「TERRA (MKS-05)」

TERRA MKS-05はチェルノブイリ原発事故時に放射線測定器で実績のあるウクライナ製で ISO9001を取得済みはガンマ線、ベータ線の双方を検知できます。「TERRA」シリーズの上位モデルで、通称「黒テラ」と呼ばれています。従来品「TERRA-P+」(通称「黄テラ」)と比較して、計測精度が10%向上し、線量率の測定範囲が拡大しているのが特徴です。

2012年前半までの価格は6~10万円程度(事故当初は20万円程度)と高価でしたが、上記の通り現時点では手頃な価格(最安値近辺で33,000円)が下がってきましたので、私たちにも手が届くような価格帯になってきました。中国製品を始め、一部機種は正確な線量を測定することができないことが判明した中、実績のあるECOTEST社の同製品は高い信頼性を有することから、よくお勧めガイガーカウンターとして紹介されることが多い製品です。

筆者も下記「SOEKS-01M」に続いて2012年後半に購入いたしました。「SOEKS-01M」よりも安定した測定値を示し、精度は高いと感じています。電池もちも極めてよいのも長所で、電源をわざわざ落とさずに付けっぱなしで使用できるので助かっています。

 

黒テラにて自宅内測定

 


ガイガーカウンター SOEKS-01M

【通常配送無料】ガイガーカウンター 「SOEKS-01M」

こちらは低価格帯ガイガーカウンターの中で最も評価の高い「SOEKS-01M」です。筆者が購入した時点では2万円強の価格でしたが、現在(2012年4月更新)ではメーカーの増産により供給が安定したことにより約12,000円前後まで価格が低下しています。

チェルノブイリ原発事故後以降の長い製造実績から低価格帯商品の中では測定値に最も信頼性が高いロシア製商品で、広く使われているものです。筆者も長い間使用しているため、以下に自分の使用経験から実感した長所と短所を列挙します。

<長所>

・現在入手可能の最新バージョン(1.CL)では10秒平均値が測定可能なので、比較的リアルタイムに近い数値を出してくれる。

・扱いやすい小型サイズで、画面もカラー明るく大型のため暗所でも数値を確認しやすい。

・高価格帯商品との比較調査の結果でも同程度の線量を示し、低価格帯商品の中では圧倒的な信頼性。

<短所>

・小型サイズの代償として、ガイガーミューラー管が小さいため、数値のバラつきが大きい。(知人所有の上記「黒テラ」と比較すると、黒テラは安定した数値を表示するところでも、「SOEKS01」は稀に高い数値(0.20μSv/h)をポーンと1回表示したかと思うと、次は通常の数値に戻るという動作をすることが度々あります。)

・画面が大きくてカラーなのはいいのだが、代償としてとにかく電池が切れるのが早い。(液晶の明るさを暗く設定し、消音にすることで多少電池もちは良くなるものの頻繁な電池交換が必要です。)

 



なお、低価格商品といえばエステー㈱の「エアカウンター」および後継機種の「エアカウンターS」という有名な商品が発売されておりますが、こちらの商品はフォトダイオード方式による検出器を採用しており、安価ではあるものの誤作動が多く、数値のブレも大きいことが報告されております。実売5千円程度で購入できるものの、日常的に数値を測定なさりたい方はもう少しお金を足して、なより信頼性の高い上述したような商品を購入されることをお勧めいたします。エアカウンターを購入される方はよく当商品の評判等を確認されて上で購入された方がよいでしょう。ただし、価格は非常に安価ですので、それらの問題点を割り切った上で購入するのもアリだと思います。

 

 

筆者所有ガイガーカウンター「SOEK01-M」

(筆者所有の「SOEK01-M」のヒストリカル高値。国際線航空機内の値です。数時間の外部被曝のみですので心配いりません。地表にてこのような値が出たらすぐに避難しましょう。)

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