尚、文科省の航空機モニタリング調査において併せて記載されている空間線量はエリアにおける人体への影響を与えうる汚染度を判断する上ではあまり重要な意味を持ちません。単純に空間線量だけを見てもどこが汚染されているのかはわからないということを理解している方は少数ですが、このことは非常に重要なことですので、よく覚えておいていただきたいと思います。
「全体の放射線量-自然放射線量=原発事故による放射線量」です。ここが重要です。つまり、自然放射線量からの超過分が問題となる人工放射線と考えられます。(自然放射線と人工放射線の違いについては、 対策を考える上で > 内部被曝の恐怖 にて後に説明します。 )
上記の自然放射線量を示したマップをご覧ください。例えば日本国内において自然放射線量が一番高いところは0.127μG/h(=μSv/h)以上であり、数値だけを見ると不安になる水準ですが、自然放射線量が高い分には殆どガンマ線による外部被曝のみですので、内部被曝がゼロであればこのレベルでも健康に影響のあるレベルではありません。
行政等が行っている放射線測定(シンチレーションによる)は「ガンマ線」のみを測定しています。なぜならガンマ線しか正確に測ることができないないからです。鉄板でも通り抜ける強力なガンマ線は非常に計測し易い性質を持ちます。一方で、アルファ線、ベータ線は簡単に遮蔽できてしまい、短距離しか放射しないため計器で正確に測定するのが困難です。しかしアルファ線、ベータ線はガンマ線に比べて放射距離が短い分、その射程内に入ったときは、その短い距離で全エネルギーを使い切るのでダメージは凄まじいです。人体への影響度は外部被曝より内部被曝の方が比較にならないほど深刻なのですが、詳しくは後述する 対策を考える上で > 内部被曝の恐怖 をご覧ください。
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